新たなブラックハットSEOの登場。ホームページを一部貸す「サイト貸し」という手法について
地方の病院やクリニックのオーナーは「サイト貸し・サブディレクトリ貸し」に要注意!
2022年10月13日、Web業界に衝撃的なニュースが飛び込んできました
それは、とある会社が「サイト貸し」という手法で美容医療のSEOをハックすることで莫大な利益を得ていたという記事です
参考記事:https://suan.tokyo/affiliaters_branding/
それは地方の病院やクリニックのドメインを借りて、広告収益目的のブログサイトを運営するという手法でした
例えば弊社のドメインは「https://step-by.work/」ですが、「https://step-by.work/beuty/」の様なURLでブログ記事を運営するということです
目次
サイト貸しにはどういうメリットが?
サイトを借りる側の多くはブログサイトを運営しアクセス数を増やすことで、広告収益を得ることを目的としているのですが、サイト貸しにはどういうメリットがあるのでしょうか?
それはまずGoogleが検索順位を決定するためのガイドラインの1つであるYMYLというものを知っておく必要があります。
YMYLはYour Money or Your Life の頭文字を取った略称で、お金や健康などのジャンルを示すGoogleの検索品質評価ガイドラインに登場する言葉です。お金や健康などに関する情報は、人の生活や人生に大きく影響するジャンルのため、Googleはコンテンツの評価基準を厳格にし、より検索結果の品質を高めようとしています。
引用:https://satori.marketing/marketing-blog/seo/what-is-ymyl/
例えば重篤な病気にかかってしまい病状の回復方法がないかユーザーが検索した際、信憑性の欠ける情報が掲載されているサイトや、詐欺のような商材が販売されているサイトが上位表示されてしまうと大きな問題を引き起こす可能性があるのはイメージしやすいでしょう。そのようなことが起こらないようにYMYL領域では通常の評価基準よりも、より厳しい基準で評価を行っています。
つまり、美容医療の分野においてもYMYLの対象となるので、その情報を掲載しているホームページの運営者や記事の執筆者がどれだけ信頼できるか、という部分が記事の検索順位に大きく関わってくるのです。
YMYLの転換点
ここでYMYLがより重要視されるようになった一つの事件を紹介します
Welq騒動というものです。
WELQ騒動というのはDenaが運営していた医療系のブログサイトを中心として起こった騒動で、様々な病気に関する情報が掲載されていました。
WELQでは医療に関する情報を大量に発信することで、検索結果の上位表示を達成しアクセス数を伸ばすことで収益を得ていました
しかし、WELQで発信されている情報というのは実際には医療関係者が執筆したものではなく1文字0.1円などで記事を書いてくれるようなフリーのライターを雇って執筆したもので、非常に信頼性が低く、場合によっては健康に被害があるような間違った内容が掲載されているということもありました。
そこでWELQは多くのユーザーからバッシングを受けるようになり、ついにはサイト自体を閉鎖することになりました。
そして、この翌年の2017年にGoogleが検索エンジンのアップデートを行ったことで、WELQのような信頼性の低い情報を発信しているブログが検索結果で上位表示されないようになりました
参考:https://ipeinc.jp/blog/welq/
新たな手法サイト貸し
そこで2021年頃から新たに問題になっているのがサイト貸しという手法です。
医療系のブログではその記事の信頼性というものがとても重要だということは先程も述べました
サイト貸しの手法では、クリニックや病院のホームページのドメインを借りることで、そのドメインが元々持っている信頼性にのっかることで、これまた大量の医療系の情報を発信するブログを運営するということが行われています
サイト貸しの問題点
そんな単純な方法でホームページの検索順位はあがるのでしょうか?
これについてはSEOの第一人者である辻さんの記事を紹介します。
寄生サイトは実際に順位が上がるのでしょうか?
はい、上がります。現状、多くのケースで順位上昇しています。
……中略
しかし、それはずっと続きません。その後の順位を追うと、多くのキーワードではこのように下落傾向が続いています。今後もずっと徐々に落ち続けて検索結果で見なくなるか、コアアップデートのタイミングで大きく落ちる、という流れになると推測されます。
引用:https://webweb.hatenablog.com/blog/seo/para-site
まずサイト貸しをして収益の一部を受け取れたとしてもそれは短期間で終わる可能性が高いということです。
そして、このWELQ騒動と同じ様な流れは、Googleがアップデートを行いなんらかのペナルティを与える可能性も非常に高いということです。
ペナルティを受けたらサイト貸しをやめたらいいのでは?と思われる方もいるかも知れませんがそうではありません。
検索順位はドメインごとに内容を評価して決定されているので、サイト貸しで運営されていたブログの順位が下がった場合は、元のホームページの順位も下がります。
長年地方でクリニックや病院を営んでいる方は特になにもしなくてもホームページの検索順位はそれなりに高いかもしれませんが、それは長年運営していることによって蓄積された「信頼性」という資産を持っているからです。
サイト貸しによってこの資産を失う可能性があるのでサイト貸しの営業を受けた場合は必ず拒否してください
検索順位を上げるためのたったひとつの方法
検索順位を上げるためには「見る人にとって価値のある情報を提供すること」のみです
低品質な記事を量産して検索順位をあげられたとしてもそれは必ずGoogleによって対策されます。
正直者が損をする、そんなインターネットにしないためにも情報は責任をもって発信していくようにしましょう
もっと詳しく知りたい方へ
デジタルマーケティングを活用した集客・採用支援をおこなう株式会社デジマケが運営する「デジマケの教科書」の
アフィリエイト目的で使われるドメイン貸しとは?リスクやメリット・デメリットを解説という記事にて、
ドメイン貸しのリスクやメリット・デメリットについて詳しく解説されています。合わせて参考にしてみてください。
その他参考サイト
この記事は以下のサイトを参考にしています。
25歳で年商40億円の株式会社アルゴリズム、事業実体はサイト貸しを活用したアフィリエイター集団か。過激化するSEOハックの実態に迫った。
【注意喚起】寄生サイトの恐怖 サイト貸しの営業に注意 – web > SEO
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